新しい小規模な研究によると、わずか4晩の睡眠不足により、体が脂肪を蓄える方法を変え、肥満のリスクが高まることがわかりました。
睡眠不足で肥満や糖尿病のリスクが高まる
高カロリーの食事を与えられた被験者は、十分な睡眠をとってから食べた被験者よりも睡眠不足の状態で食べた被験者の方が満足感が低かったとのことです。
同研究では、睡眠不足の後に栄養の豊富な食事をとると、体内のインシュリン濃度が上昇し、食事からの脂質や脂肪の消費が速くなることが明らかになりました。
この脂肪は体内に蓄積され、結果として体重の増加につながります。
National Sleep Foundationは、成人で毎晩7〜9時間の睡眠を推奨しています。
睡眠不足は肥満、糖尿病、心臓病、さらには癌のリスクまで高めます。しかし、研究者らはこの原因となっているメカニズムについてあまり知りません。
Journal of Lipid Researchで発表された新しい研究では、20代の健康な男性15人を採用しました。被験者らは、最初の一週間は自宅で毎晩10時間の睡眠をとり、その後ペンシルベニア州の臨床研究センターで10泊しました。
実験室で過ごした夜には高脂肪で高カロリーのチリとパスタの夕食が与えられ、その後、被験者らは4晩連続で、毎晩5時間の睡眠をとるように言われました。
研究者らは被験者から血液サンプルを採取し、睡眠不足によりインシュリンの濃度が上昇することを発見しました。インシュリンとは血流から細胞にグルコースを取り込むのに必要なホルモンです。
その結果として、食事から脂肪を摂取する速度が速くなります。これらの脂肪や脂質は急速に蓄えられ、体重が増加します。
ペンシルベニア州立大学の元大学院生で主著者のKelly Ness氏は、 「長期間の睡眠不足により、肥満や糖尿病、その他の代謝性疾患のリスクが高まる可能性がある」 と述べました。