どうもこんにちは。英語の勉強してますか?
今回はTOEICと英語勉強法について書きたいと思います。実はここ英語勉強ブログなんです。
読んでもらうとわかりますが、本記事ではTOEIC専用のテクニックではなく、英語力を底上げするための勉強法を紹介します。「努力しないでスコアアップする方法」をお探しの方は、ここではありません。
本記事では僕がTOEICで900点台を取ったときの話をしますが、適切な教材を選べば初級者 (中学レベル) でも独学で実践できる勉強法です。僕も「こんなことならもっと早く始めれば良かったな」と思ったものです。
英語多読でTOEIC900点をクリア
最初にちょっと僕自身の話。飛ばしてもOK。
僕は学生時代から英語が苦手で、社会人になってから受験したTOEICでは380点しかとれませんでした。
その後思いつきで英語の勉強を始め、2013年には950点を取得しました。目安として、900点を取れば全受験者の上位3%に入ると言われています。留学経験はなく独学です。
もちろん英語学習の目的はTOEICではありませんが、自分の英語力を何らかの数値として測れるのは便利なものです。そして、せっかく試験を受けるのなら、少しでも高得点を取りたいと考えるのが人情です。
僕の場合、800点までは順調に伸びたのですが、900点に届かない時期が長く続きました。
僕は900点を突破するためにTOEICの問題集をたくさん解きまくり、万全を期して試験に臨んだつもりだったのですが、それでも900点には届きませんでした。結局、TOEICのことばかり考えるのは嫌になって、普通の英語学習に戻りました。
その頃、たくさん英字新聞を読むと良いという話を聞き、毎日30分〜60分ぐらい英語のニュースサイト (News On Japan) を読む生活を続けました。その後、半年ぶりにTOEICを受験すると、どんなに頑張っても届かなかった900点を大きく超えて950点まで伸びていました。
多読が良いとは聞いていましたが、僕自身も多読の効果を体験したことになります。また、「TOEICは意味がない」という意見もよく聞きますが、このように英語力の変化を数値で見られるのが便利なところです。
ちなみに、当時読んだ記事はなるべくEvernoteにクリップしていました。「これだけやった」という自信につながると思ったからです。
英語多読って何? 実績あるの?
英語多読とは何でしょう。
ひとことで言うと、英語の文章をたくさん読むことです (そのまんま)。
日本で生活していると英語に触れる機会が少ないため、洋書などをたくさん読んで強制的に英語に慣れ親しむことが目的です。ちなみに「多聴」は多読のリスニング版です。
もちろん「多読多聴だけやっていればカンペキ」と言うつもりはありませんので、他の英語学習と並行して取り組むことをお勧めします。英文法とかスピーキングとか。
多読の効果・実績
「世界一受けたい授業」でも特集された、『田舎の無名高校から東大、京大にバンバン合格した話―西大和学園の奇跡』の西大和学園は、創立当初は非常に荒れていたにも関わらず、わずか4年で東大合格者を出すほどの進学校になりました。その西大和学園では授業に多読を取り入れており、生徒たちは洋書をたくさん読んでいます。
10カ国語以上を身に付けた言語学習の達人スティーブ・カウフマン氏は、自身の経験から外国語学習には多読多聴が効果的と話しています。スティーブ氏の日本語力は動画を見ての通りです。
脳科学者の茂木健一郎氏は、多読について以下のように話しています。
僕は英語で苦労した記憶がありません。高校のときに自分に「英語の原書をたくさん読む」という無茶ぶりをしたのが効いたようです。『赤毛のアン』シリーズや科学書などの英語の原書を、3年間で30冊ぐらい読みました。最初は苦しかったのですが、読み終えたあとは、大学入試くらいの英語だったら問題ない状態になりました。脳科学者の茂木健一郎氏が語る、ノンジャンル、多読のすすめ
あの夏目漱石も英語多読を推奨しています。
英語を修むる青年はある程度まで修めたら辞書を引かないで無茶苦茶に英書を沢山読むがよい、少し解らない節があって其処は飛ばして読んでいってもドシドシと読書していくと終いには解るようになる
難しすぎない英文を選ぶことも大切です。ピッツバーグ大学で言語学を専門とする白井恭弘氏は、理解できる英文を大量にインプットすることを勧めています。
SLA研究の結果わかってきたことは、インプット、それも「理解できるインプット」が、言語習得のカギを握っているということです。
他にも多読や多聴を推奨する人は多く、非常に効果がある勉強法だと考えられます。
日本人が日本語を覚えるときも、小学生の頃から何冊も国語の教科書を読み、漫画や小説などもたくさん読んで育っているはずです。今ではネットや電子書籍でも簡単に多読ができるので、興味がある方はぜひ挑戦してみてください。
多読のルール
一般的な多読のルールは以下の3点。
- 辞書をひかない
- 分からないところは飛ばす
- 面白くなければやめる
僕はこれに加えて、和訳つきの英文をたくさん読むと良いと考えています。
理由は、意味が分からないままにしておくのは気持ちが悪いからです。意味が分からないだけならまだしも、誤読した場合は間違ったまま記憶に残ってしまいます (ただしこれは僕個人の考えですし、好みの問題ですので特に推奨はしません)。
テレビでも有名な英語講師の安河内哲也氏は、次のように述べています。
私が思いきった方法としてお勧めしたいのが、翻訳が出ている本ならば、まず日本語訳を読んでからオリジナルの英文を読むという方法です。一度日本語で内容を把握してから読むと、初めて読む英文でもかなり楽に読めます。
おすすめウェブサイトと書籍
ここでは、多読で利用しやすいおすすめのウェブサイトと書籍を紹介します。
同じテーマの記事がレベル別に3通りの英文で記述されています。英文量は少なめ。まずは自分のレベルに合う英文を読み、余裕があればLevel1からLevel2、Level3と順に読んでいくのも良いですね。Level1は初歩的な中学英語です。
日本のニュースを英語で紹介しています。1記事の英文量が比較的少ないので挫折する前に読み終わります。
以前は「ニュースで英会話 オンライン」も超オススメだったのですが、今年4月にサービスが終了してしまいました・・・・・・。
おすすめ書籍
ネットより本で多読がしたいという方向けにおすすめの書籍を紹介します。
英会話・ぜったい・音読 【入門編】—英語の基礎回路を作る本 | |
---|---|
|
|
Amazonで見る |
和訳なし、音声CD付き。本来は音読用教材ですが多読に使えます。レベル別にシリーズ化していて、入門編は中1、中2レベル、標準編は中3レベル、挑戦編は高1レベルになっています。
みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング(CD BOOK) | |
---|---|
|
|
Amazonで見る |
和訳あり、音声CD付き、トピックが豊富。こちらも音読用教材ですが多読にも使いやすい教材です。本当は「中級レベル」が個人的オススメなんですが、Amazonでは品不足なのか価格が高騰しています。中級レベルを使いたい方は本屋へ。
改訂版 英語で日本紹介ハンドブック | |
---|---|
|
|
Amazonで見る |
和訳あり。Kindle版あり。各トピックの英文量は少なめですが、トピックの数が豊富にあります。日本のさまざまな文化が英語で紹介されていて、日本豆知識といった内容です。
Yotsuba&!, Vol. 1 | |
---|---|
|
|
Amazonで見る |
和訳なし。日本の漫画「よつばと!」の英訳版。主に日常会話なので実用的。漫画はイラストと台詞がセットになっているので分かりやすいです。作品自体も人気の「よつばと!」なので面白いです。
猫まんがで楽しい英語多読 1 猫さえいれば世界は楽しい | |
---|---|
|
|
Amazonで見る |
和訳あり。保護した野良猫との生活を描いた漫画。Kindle Unlimited会員なら読み放題対象商品です。2巻もあります。
おわりに
今回は英語多読について紹介しました。
これはTOEIC対策というより英文読解力を高めるための勉強法です。TOEICの長文問題はここ数年で英文の量が増え、たっぷり読んで回答する傾向になっています。小手先の受験テクニックより本当の英文読解力が問われているのです。
CD付きの本を利用すれば、多読とあわせて多聴の練習にもなります。
多読をするときは「これから英語の勉強をするぞ」と意気込むよりも、気楽に趣味の読書をしていると考える方が長続きするように思います。コーヒーでも飲みながらのんびり読んでください。ウェブサイトや電子書籍なら、ちょっとした隙間時間などにスマホをさっと取り出して読めるので便利ですね。