唐辛子を週に4回摂取することで、食事の種類にかかわらず、心臓発作で死亡するリスクが減少することが2万3,000人を対象とする追跡調査でわかりました。
唐辛子で心臓発作のリスク減少
研究者らは約2万3,000人のボランティアを八年間追跡し、定期的に食事に関する質問をしました。
その結果、唐辛子を週に4回摂取していると思われる成人は、早死にする可能性が低いことがわかりました。また、研究を行なったイタリアの研究者らによると、心臓発作で死亡するリスクは40%低かったとのことです。
また、健康的とは言えない食事を摂っていた被験者の心臓にも唐辛子が有益であることがわかったと研究者らは述べています。
各被験者は、唐辛子を含む食事を摂った頻度(一切摂取していない、たまに摂取した、頻繁または極めて頻繁に摂取した)を自己申告し、食事ごとに伝統的な地中海料理にどれほど忠実に従っているかを0〜9のスケールで採点しました。
8年間の平均追跡調査期間で1,236人が死亡し、死因の3分の1は癌によるもので、心臓病によるものもほぼ同程度でした。
日常的に唐辛子を摂取していた人の割合は24%と報告されており、唐辛子を一切摂取しない人の割合は約3分の1でした。
唐辛子を週に4回摂取していた人は、調査期間中に死亡する割合が23%低く、心臓発作や冠動脈性心疾患による死亡率に関しては、日常的に唐辛子を摂取していた人がそれぞれ40%と34%低いことがわかりました。
癌による死亡率は、唐辛子を食べないグループがわずか10%低く、結果は有意ではありませんでした。
単なる観察にすぎないこの調査結果は、「Journal of the American College of Cardiology」誌に掲載されています。
筆頭著者のマリアラウラ・ボナッチオ氏は、「興味深い事実は、摂取する食事の種類と死亡リスクは無関係だったことです」と述べています。
「言い換えると、ヘルシーな地中海料理を食べようと、それほどヘルシーとは言えない料理を食べようと、唐辛子には予防効果があるのです」
研究チームは、唐辛子の摂取が健康にどのように影響するかを理解するには、さらなる研究が必要だと述べています。