最近「try to 〜」の使い方を習ったんですけど、他にも「try -ing」という言い方もありますよね。
I tried opening the door. 「私は試しにそのドアを開けてみた」のような使い方ができるね。
ええ。それって I tried to open the door. と何が違うんですか?
「try -ing」と「try to 〜」は似ているけどちょっと違うよ。
では今回はこの2つのフレーズの違いを見ていこう。
「try -ing」と「try to 〜」の違い
まず結論から言うと「try -ing」は「試しに〜してみる」という意味。
そして「try to 〜」は「〜しようと試みる」という意味になる。
念のために、英文法書の解説も見てみよう。
try doing は「試しに〜してみる」、try to do は「〜しようと試みる」の意味を表す。
確かに、英文法書には「試しに〜してみる」と「〜しようと試みる」と説明されていますね。
でも、この2つは言い方がちょっと違うだけって気がするんですが、結局何が違うんですか?
「試しに〜してみる」と「〜しようと試みる」の違い
try -ing は「とりあえずやってみる」というニュアンス。特に努力をするほどのことでもなく、ちょっと試しにやってみようという意味だね。
一方、try to 〜 は「努力してみる」というニュアンス。できるかどうかわからないけど、とにかく試みるという意味になるよ。
I tried opening the door.
私は試しにそのドアを開けてみた。
I tried to open the door.
私はそのドアを開けようと試みた。
[例文1] は「試しに開けてみた」なのでとりあえず開けてみた感じ。
一方 [例文2] は「開けようと試みた」なので、ドアを開けるのに努力を要することがわかる。また、「ドアは結局開かなかった」というニュアンスも含まれているんだよ。
後者は鍵がかかっていたか開きにくいドアだったのか。
そう、何らかの理由で開けるのが困難なドアだということがわかる。
ちなみに、to には「方向」や「到達点」を表すイメージがあるので、try to 〜 は「これから〜すること」を表していると考えて。
try -ing は「〜することを試してみる」、try to 〜 は「これから〜しようと試みる」ということだね。
では、次の例文の違いはわかる?
I tried calling him.
私は彼に電話をかけてみた。
I tried to call him.
私は彼に電話をかけようとした。
[例文3] は彼と話ができたけど、[例文4] はできなかった?
いや、[例文3] は「実際に電話をかけてみた」。[例文4] は「電話をかけようと試みた」ということだね。
「実際に電話をかけてみた」と言っても、電話が相手に繋がったかどうか、通話ができたかどうかはわからないでしょ。他の人が出たかもしれない。でもとりあえず電話をかけるという行為はしていることがわかる。
一方「電話をかけようと試みた」というのは、結局電話をかけていない。もちろん相手との通話もしていないことになるよ。
「will try -ing」と「will try to 〜」の違い
ここまでの例文は過去形だったけど、未来を表す will とあわせて使うと次のようになる。
I will try opening the door.
そのドアを試しに開けてみる。
I will try to open the door.
そのドアを開けようとしてみる。
これらの違いは、[例文5] は「開くことがわかっている」前提で「試しに開けてみる」、[例文6] は「開くかどうかわからない」前提での「開けようと試みる」ということだね。
気持ちの違いが現れているんですね。
そうだね。ついでに、命令形だとこうなるよ。
Try opening the door.
試しにそのドアを開けてみて。
Try to open the door.
そのドアを (何とかして) 開けてみて。
[例文7] はドアが開くことがわかっていて、[例文8] は開くかどうかわからないということですか。
そうだね。このように、try -ing は「試しに〜してみる」、try to 〜 は「〜しようと試みる」という意味になる。
言い方がちょっと違うだけで、意味はかなり変わるんですね。