5 月 23 日、Microsoft がイベントで新しい Surface Pro を発表しました。従来の Surface Pro は応答速度が遅くペンの傾き検知にも対応していなかったため、イラストやお絵かき環境としては Wacom の液タブや Apple の iPad Pro + Apple Pencil にはかなわないと言われていました。しかし、今回発表された新しい Surface Pro はペン周りが大幅に強化されたようです。
Microsoft が本気出した
前機種の Surface Pro 4 からの主な変更点を簡単にまとめると、筆圧レベルが 1,024 段階から 4,096 段階に向上、ペンの傾き検知に対応、応答速度の向上、Surface Dial に対応といったところです。これまでは他社製品と比べて貧弱だったペン周りの機能が大幅グレードアップしていることがわかります。
これはついに Microsoft が Wacom や Apple と戦えるお絵かきタブレットを開発したのか!? ということで、今回は他社の製品と Surface Pro を簡単に比較してみました。
他社製品との比較
今回比較したのは、画面サイズが近い以下の 3 製品です。
なるべく公平になるように、周辺機器としての「液タブ」ではなく、OS がインストールされている「タブレット PC」同士を比較しています。
目立つ特徴としては、MobileStudio Pro 13 はファンクションキーやタッチホイールなどのお絵かきに特化した機能を搭載。Surface Pro は別売りの Surface Dial がお絵かきに役立ちそう、といったところでしょうか。
各製品を比較
それでは各製品を比較してみます。
(2017年6月16日更新:iPad Pro のデータを最新モデルのものに変更しました)
Wacom MobileStudio Pro 13 |
iPad Pro | Surface Pro | |
---|---|---|---|
筆圧レベル | 8192 | 非公開 | 4096 |
傾き検知 | ○ | ○ | ○ |
応答速度 | 25ms | 20ms | 21ms |
画面サイズ | 13.3型 | 12.9型 | 12.3型 |
解像度 | 2,560×1,440 | 2,732×2,048 | 2,736×1,824 |
OS | Windows10 Home |
iOS 10 | Windows10 Pro |
CPU | 第6世代 Core i5 |
Apple A10X |
第7世代 Core m3 |
ストレージ | 64GB | 64GB | 128GB |
メモリ | 4GB | 4GB | 4GB |
ペン | 付属 | 別売り (10,800円) |
別売り (11,800円) |
価格 | 168,000円 | 86,800円 | 105,800円 |
重量 | 1420g | 677g | 766g |
このような比較になりました。こうして比べてみると、新しい Surface Pro はペン周りが他社製品に負けず劣らずの性能になっており、価格は iPad Pro < Surface Pro < MobileStudio Pro 13 となっています。
また、Surface Pro の重量は 766g と軽く、同じ Windows10 タブレットである Wacom MobileStudio Pro 13 (1420g) の約半分です。持ち歩き用 PC としても秀逸です。
iPad Pro + Apple Pencil の問題点
iPad Pro + Apple Pencil はハードの性能自体は優れているのですが、iOS なので クリスタ (CLIP STUDIO PAINT) のような PC 用のお絵かきソフトが使えないのが気になります。Surface Pro は Windows10 マシンなので、一般的なソフトは当然なんでも使えますね。
Wacom はやっぱりガチ勢向け?
Wacom MobileStudio Pro 13 は 一番安いモデルでも 181,440 円 (税込) ですが、Surface Pro の一番安いモデルは 114,264 円 (税込) です。Wacom はガチ勢向けということで、ハイスペックで高価なモデルしか用意していないのでしょうか? もちろん、Surface Pro も高性能なモデルほどお高くなってきますが、安価なモデルが用意されていると趣味でお絵かきをしている人にはありがたいです。
以上のことから、新しい Surface Pro はお絵かき環境として素晴らしいタブレットになっていると感じました。また、処理速度や静音性なども強化されているので、お絵かき以外の用途でもパワーアップしています。
公式動画はこちら。ペンを傾けて線を描いてみせるなど、お絵かきにバリバリ使える様子をしっかりアピールしていて期待の高まる動画です。