今回は、自動運転車の車載カメラが撮影した動画に関する記事なんだけど、撮影中に前方の車が衝突事故を起こしたという話だよ。
そういう事故動画って YouTube によくありますよね。特に珍しくもないような。
そう。ところがただの事故動画じゃなくて、事故の「発生前」にシステムが事故を予測して警告音を発しているんだよ。
自動運転車から突然の警告音、その後・・・・・・
記事の内容を簡単に要約するとこんな感じ。
自動運転車「Tesla Model X」の車載カメラがとらえた交通事故の瞬間が Twitter に投稿されて話題になっている。動画では、走行中の自動運転車から突然ピピピピと警告音が鳴り、その数秒後に前方の車両が他の車両と接触。車両の 1 台は横転した。自動運転車が事故を予測したのである。
2 台が接触するまで、自動運転車の運転席からは接触された車両の姿は確認できなかった。ドライバーが警告音の意味を理解するのは、事故が起こった後のことである。自動運転車は安全に停車し、事故に巻き込まれることはなかった。
Original video, authorisation from the owner. Essential, no one could predict the accident but the radar did and acted by emergency braking. pic.twitter.com/70MySRiHGR
— Hans Noordsij (@HansNoordsij) 2016年12月27日
自動運転車が警告音を発したとき、前方の車両はまだブレーキさえ踏んでいなかった。このことから、警告システムが前方の車両だけで事故を予測しているのではなく、さらにその前方の車両も感知していることがわかる。自動運転車のドライバーによると、自分でブレーキを踏もうとするよりも早く自動運転車が減速を始めたという。
Tesla は 9 月にソフトウェアを大幅にアップグレードしたと発表。このアップグレードで、初期型の自動運転機能を備える全車両のレーダー感知機能が強化された。第 2 世代も間もなくアップグレードされる予定となっている。
最近いろいろと話題の自動運転車ですね。事故を見てから停車するだけでなく、事故の発生前に予測することもできるんだ。
動画では前方の車の向こう側が見えないけど、自動運転車のレーダーが車の下や周囲に反射することで運転手には見えないところまで感知できるみたい。
自動運転車に限らず、普通の車両にもこのシステムがあれば事故率がぐっと減りそうですね。
さて、今回の例文はこれ。
The video of an accident on the highway in the Netherlands caught on the dashcam of a Tesla Model X shows the Autopilot’s forward collision warning predicting an accident before it could be detected by the driver.
Tesla Model X の車載カメラがとらえたオランダの高速道路で発生した事故動画によると、ドライバーが気付くよりも早く、自動運転機能の前方衝突警報システムが事故を予測している。
長い・・・・・・。
今回の例文はどこまでが主語 (主部) なのかを把握するのがポイントだね。
単語を順番に見ていくと、shows が動詞の現在形になっているでしょ。現在形の動詞は必ず述語動詞として使われるから、その直前までがこの英文の主語になるの。
ということは The video of an accident on the highway in the Netherlands caught on the dashcam of a Tesla Model X が主語ですか。
そう。長いけど、最初の The video が主語の中心になっていて、あとはこの The video に説明を追加しているだけ。
The video of an accident on the highway in the Netherlands が「オランダの高速道路で発生した事故動画」。
caught on the dashcam of a Tesla Model X が「Tesla Model X の車載カメラに捉えられた」となる。つまり主語は、「Tesla Model X の車載カメラがとらえた、オランダの高速道路で発生した事故動画」ということ。長いけど、結局のところ「動画」がこの英文の主語になっているでしょ。
述語動詞が shows で「見せる」。動画が何かを見せる、つまりこの動画を見ると以下の内容がわかりますよ、ということ。
そこから動画の内容が書かれているんだけど、その前に show + [目的語] + doing で「[目的語] が〜しているのを見せる」という意味になることを覚えておいて。
さて、動画が何を見せているのかというと、shows the Autopilot’s forward collision warning predicting an accident だね。
この forward collision warning が「前方衝突警報システム」、predict が「予測する」。 よって、show + [自動運転機能の前方衝突警報システム] + predicting an accident となるから「自動運転機能の前方衝突警報システムが事故を予測しているところ (を見せる)」という意味。
最後に before it could be detected by the driver で「ドライバーによって発見される前に」。before 以下を先に訳すと「ドライバーが気付くより早く、自動運転機能の前方衝突警報システムが事故を予測している (ところを動画が見せている)」となる。
英語の語順通りに訳すなら「自動運転機能の前方衝突警報システムが事故を予測した後、ドライバーが事故に気付いた (ところを動画が見せている)」だね。
ずいぶん長い英文だった。
主語が長いと構造がわかりにくいよね。今回の [例文] の骨組みだけを見るとこうなるよ。
The video shows the Autopilot’s forward collision warning predicting an accident.
この動画は、自動運転機能の前方衝突警報システムが事故を予測しているところを見せている。
なんだ、こんなもんか。
そう。これにいろいろな要素がくっついて長くなっているの。やっぱり英文を読むときは、中心となる主語と述語動詞を見つけようとすることが大事なんだよ。
登場キャラクター
シン
英語が苦手な少年。ミサから英語を教わっている。
ミサ
英語を教えてくれる近所のお姉さん。