猫でもわかる 秘密の英語勉強会

イメージで覚える使役動詞 make, let, have, get の違いまとめ

今回は使役動詞について勉強しよう。

使役動詞? 何ですかそれ?

普通の動詞は「〜する」という意味で使われるよね。

使役動詞の場合は、[使役動詞] + [目的語] + [動詞の原形] という形で使われて、「〜させる」「〜してもらう」という意味になるの。

一般に使役動詞は make, let, have の 3 つだけど、ここでは get も含めた 4 つの動詞を使役動詞と呼ぶことにするよ。

この 4 つはそれぞれニュアンスが異なるから気をつけて使い分ける必要があるんだけど、今回はその違いをまとめてみよう。

使役動詞 make, let, have, get の違い

ここからの説明では、[目的語] を O、[動詞の原形] を do と表記して説明するからね。

Make O do 「強制的に〜させる」

make の基本イメージは「力を加えて作る」。だから、使役動詞として使うと「O に〜させる」、つまり「強制的に〜させる」という意味になる。

たとえ相手が嫌がっていてもね。

そのため make は「〜させる」という意味合いが一番強く、四天王の中でも最強なんだよ。

強制か。使い方を間違えると失礼になりますね。

 例文
[1]

She made him go there.

彼女は彼をそこに行かせた。

[2]

She made me wait for a long time.

彼女は私を長い時間待たせた。

これは、強制的に行かせた、待たせたという意味。

たとえば [例文1] は、「彼がそこに行く状況を作った」というイメージから、「彼に (強制的に) 行かせた」となるの。

 例文
[3]

What makes you think so?

なぜそんなふうに考えるの?

これは、直訳すると「何があなたにそんなふうに考えさせるの?」となるけど、意訳すると「なぜそんなふうに考えるの?」ということ。

Why do you think so? と同じ意味の質問だよ。

こういうフレーズは、慣れていないと理解するのにちょっと時間がかかりそうですね。

うん、特に活字ではなく口頭だとすぐに理解しないといけないから慣れが必要だね。

彼女は彼をそこに行かせた。

She made him go there

Let O do 「〜することを許す」

let の基本イメージは「好きなようにさせる」。だから、使役動詞として使うと「O が〜することを許す」とか「望み通りさせてやる」という意味になる。

O に何かさせようとするのではなく、O が何かしようとしているのを許可するということですね。

 例文
[4]

Misa let him go.

ミサは彼を行かせた。

[5]

She let him drink coffee.

彼女は彼がコーヒーを飲むことを許した。

[例文4] は、彼に行こうとする意思があってそれを許可した。[例文5] は、彼がコーヒーを飲みたがっていてそれを許可したということ。

 例文
[6]

Let me explain.

説明させてください。

このように Let me 〜 と言うと、「私に〜する許可をください」「私に〜させてください」となるよ。

[例文6] は、私に説明する許可をくださいということですね。

説明させてください。

Let me explain

Have O do 「納得させて〜してもらう」

have の基本イメージは「持っている」。だから、使役動詞として使うと「O が〜する状態」を持っている、つまり「O に〜してもらう」という意味になる。

これは「O が〜する状態」を当然のように持っているというニュアンスがあるので、たとえば「(店にお金を払って) 髪を切ってもらう」とか「部下に作業をしてもらう」といった使われ方が一般的だね。

 例文
[7]

Misa had the engineer repair her car.

ミサはそのエンジニアに車を修理してもらった。

[8]

He had the doctor look at his arm.

彼は医者に腕を診てもらった。

[9]

The teacher had us read it aloud.

先生は我々にそれを声を出して読ませた。

このように、仕事でサービスを提供している人に何かをしてもらったり、目上の人が目下の人に何かをさせたりといった感じだね。

では、「上司に何かをしてもらった」と言うときに、使役動詞の have を使うのは NG ですか?

そうだね。その場合は「何かをしてもらうようにお願いした」はずだから、この後で紹介する get を使うんだよ。

彼は医者に腕を診てもらった。

He had the doctor look at his arm

Get O to do 「どうにかして〜させる・〜してもらう」

get の基本イメージは「手に入れる」。have は「持っている」という「状態」のイメージだったけど、get は「手に入れる」という「動作」に焦点が当てられている。

そのため、「O が〜する状態」を得ようと働きかけるイメージから、「O を説得して〜させる」とか「どうにかして O に〜してもらう」という意味になる。

また、ここまで紹介した他の 3 つの使役動詞と違って、do ではなく to do となっている点にも注意。

 例文
[10]

He got his brother to do his homework.

彼はお兄さんに宿題をやってもらった。

[11]

She got him to do the work.

彼女は彼にその仕事をしてもらった。

[例文10] は、「お兄さんが宿題をする状況を手に入れた」というイメージから、「お願いして宿題をやってもらった」とか「なんとか頼んでやってもらった」という意味になるの。

人に何かしてもらう状況を、努力して手に入れているんですね。

その仕事をしてもらった。

She got him to do the work

使役動詞の受動態

使役動詞 make に限り、次のように受動態で使うこともできるよ。

 例文
[12]

Misa made him wait outside the store. (能動態)

He was made to wait outside the store by Misa. (受動態)

彼はミサに店の外で待たされた。

このように、受動態では動詞の原形ではなく to do を使う点に注意。

使役動詞 let はそのままでは受動態にできないけど、allow や permit を代用することで受動態にできるよ。

 例文
[13]

Misa let him enter the room. (能動態)

He was allowed [permitted] to enter the room. (受動態)

彼はミサに部屋に入れてもらった。

この場合も動詞の原形ではなく to do を使う点に注意。

彼は待たされた。

He was made to wait

損な役回りばかりだな。

例文引用
[9] ウィズダム英和辞典

登場キャラクター

シン
英語が苦手な少年。ミサから英語を教わっている。

ミサ
英語を教えてくれる近所のお姉さん。

レイ
シンの同級生。絵を描いて勉強会のサポートをしている。