「たぶん」を英語で言うと?
メイビー。
そう、maybe は「たぶん」という意味だね。他にも probably、perhaps、possibly などがあるよ。
たくさんありますね。でもどれか 1 つを覚えておけば十分じゃないですか。僕はメイビーでいいや。
ところが、これらの単語にもそれぞれ微妙な違いがあるんだよ。
- probably, perhaps, maybe, possibly の違い
- probably は十中八九
- perhaps と maybe はあまり期待できない
- possibly はほとんど期待できない
- 確信度が 100% の場合は?
- 映画にみる probably と possibly
probably, perhaps, maybe, possibly の違い
これらの単語はいずれも日本語で「たぶん」と訳されがちだけど、すべて同じニュアンスというわけではない。それぞれ確信の度合いに違いがあるの。
確信の度合い?
そう。かなり確信度の高い「たぶん」もあれば、確信度の低い「たぶん」もある。これらの単語を確信度の高い順に並べると次のようになるよ。
probably 80% 前後
perhaps, maybe 20〜50%
possibly 20% 前後
人によって感じ方が変わるので、数字はあくまで目安だけどね。覚えておきたいのは、probably はかなり確信度が高く、逆に possibly は確信度が低い、そして perhaps と maybe はその間にあるということだよ。
考えてみると日本語の「たぶん」はかなりストライクゾーンが広い感じがしますね。
うん。他の言葉で言いかえると、確信度の高い「たぶん」は「十中八九」、確信度の低い「たぶん」は「もしかすると」とか「ひょっとすると」というところかな。
probably は十中八九
It will probably rain tomorrow.
明日はたぶん (十中八九) 雨だろう
That's probably impossible.
それはたぶん無理だろう。
He will probably come.
彼はおそらく来るだろう。
probably は 100% ではないけどかなり確信度が高く、「十中八九」という感覚。
「十中八九」ならかなり自信を持って予想している感じですね。
彼はおそらく来るだろう。
perhaps と maybe はあまり期待できない
Perhaps that's true.
それは本当かもしれない。
Perhaps someday we will know the truth.
たぶんいつか真相が分かるだろう。
Maybe that can help you.
それが君に役立つかもしれない。
perhaps と maybe はあまり確信度が高くなく、言い方によっても変動するけど 20〜50% といったところ。probably ほど期待はできないよ。
perhaps と maybe を比べると、perhaps が固い表現で maybe の方が口語的なくだけた表現。また、どちらも文頭に来ることが多いよ。
せいぜい 50% の確信度ということは結構いい加減な予想ですね。
たぶんいつか真相が分かるだろう。
possibly はほとんど期待できない
He may possibly recover.
彼はひょっとしたら回復するかもしれない。
I cannot possibly do it.
それは私にはとてもできない。
possibly は確信度がかなり低く、ほとんど期待できない「もしかすると」という感じ。
また、[例文8] のように否定文にすると「とても〜ない」という意味になるよ。
ほとんど期待はできないけど、可能性がゼロではないということですか。
彼はひょっとしたら回復するかもしれない。
確信度が 100% の場合は?
「たぶん」ではなく、確信度が 100% の場合は何て言うんですか?
その場合は absolutely や definitely で「確実に」とか「絶対に」という意味だね。
I absolutely need that.
絶対にそれが必要。
I definitely want to try it.
絶対食べてみたい。
絶対食べてみたい。
ずっと食べ物に振り回されているな。
映画にみる probably と possibly
ところで、probably と possibly と聞くと私は『幸せのちから』という映画を思い出すよ。
何でですか?
主人公の男性とその幼い子供のやり取りで、次のような会話があるんだよ。
子供: Are we going to the game?
子供: 試合に行くの?
男性: I said possibly we're going to the game.
男性: 行くかもって言った。
男性: You know what "possibly" means?
男性: 意味分かるか?
子供: Like probably.
子供: きっと?
男性: No, "probably" means there's a good chance that we're going.
男性: それは「まず間違いなく」さ。
男性: "Possibly" means we might, we might not.
男性: 「かも」は五分五分だ
男性: What does "probably" mean?
男性: 「きっと」は?
子供: It means we have a good chance.
子供: まず間違いなく
男性: And what does "possibly" mean?
男性: 「かも」は?
子供: I know what it means.
子供: 知ってるさ
男性: What does it mean?
男性: 意味は?
子供: It means that we're not going to the game.
子供: 試合に行かないって意味
男性: How did you get so smart?
男性: お前小賢しくなったな
引用:『幸せのちから』
これは、少し前のシーンで男性が子供に「アメフトの試合に行くかも」と言ったんだけど、本当に連れて行ける可能性は低いと考えていたの。だから possibly を使った。
それに対して、子供は試合を見に行きたいという思いが強いから probably のような意味に受け取った。でも本当は行けそうにないと気付いて「試合に行かない」と解釈したんだよ。
へぇ。和訳だと分かりにくいけど、probably と possibly の違いを活かした会話になっているんですね。
うん、それぞれの心情が単語に表れているんだね。『幸せのちから』は実話がもとになっていてストーリーも面白いしお勧めの映画だよ。
いつの間にか映画の宣伝になってる。
登場キャラクター
シン
英語が苦手な少年。ミサから英語を教わっている。
ミサ
英語を教えてくれる近所のお姉さん。
レイ
シンの同級生。絵を描いて勉強会のサポートをしている。