ブンブン、ハローインターネット。
ユーチューバーかな。
今日は、本の紹介をするよ。
商品レビューか。
商品レビューと呼べるほど大層なものではないけど、私が実際に読んで思ったことを簡単に説明するね。
『なんでも英語で言えちゃう本』
今回紹介するのは、米国公認会計士でもある青木ゆか氏の著書『なんでも英語で言えちゃう本』。
著者は学生時代にイギリスやアメリカに留学したけど、英会話にコンプレックスを抱えていたの。でも、独自のメソッド (方法) を開発してそのコンプレックスを乗り越えたんだって。
今では多くの企業でそのメソッドを伝える講演をして好評を得ているそうだよ。
そのメソッドが本に書かれているんですか。
そう。この本で特に私が特徴的だと思ったのは第3章『英会話は "3語" でできる!』だよ。
英会話は3語で? いや無理でしょ。解散。
いいから聞いて。たとえば「今日は、髪の毛がボサボサでさー」と英語で言うとき何と言えば良いか。もちろん答えは1つではないけど、たとえば次のように言えるの。
I can't control my hair.
(私はコントロールできない。髪の毛を)
3語じゃないですよ。
うん、著者の主張する3語というのは単語数ではなく、
主語 + 動詞 + それ以外
ということなんだよ。
主語と動詞はともかく「それ以外」ってずいぶんざっくりですね。
それに、「髪の毛がボサボサ」と「コントロールできない」では何か違う気がするんですが。
何て言うかこう・・・・・・ニュアンス? ニュアンスが違いますよね。
そう、そこがこの本の特徴なの。
英会話初心者は言いたいことをまず日本語で考える。そして日本語の文章をそのままのニュアンスで英語にしたいと考えるの。
だけど、ニュアンスを残して英語にするのはとても難しいでしょ。同じニュアンスのまま言いたいことを何でもすらすら英語にできたら、それはもう翻訳者や通訳者なみの英語力があるってことだよ。
そりゃそうだ。
さらに英文法の問題もある。
私たちが英会話を覚えようとするとき、まず英文法の勉強をするよね。
英文法を知らないと始まりませんからね。
うん、だけど英文法を勉強しすぎると逆効果になることがあるの。
え、何でですか?
たくさん勉強している人ほど、そしてテストで高得点を取る人ほど、英文法を間違えたくないという気持ちが強くなるのよ。
自分の言いたいことを、そのままのニュアンスで、文法的に正しく伝えるにはどうしたら良いか、そんなふうに考えるほど固まっちゃうの。
「○○って英語で何て言うんだっけ?」って感じでね。
「正解」にこだわりすぎるということですか?
そう、「間違えるとかっこ悪い」って考えてると上達しないからね。だから著者はあえて簡単なルールを作って、そのルールで言いたいことを表現できれば良いとしているの。
実際、同じ英語学習者でも、日本以外の国の人は文法がめちゃくちゃでも気にせずにどんどん喋ってることが多いよ。
もちろん英文法も大事なんだけど、細かいニュアンスを捨てて、簡潔に本質だけ伝えるようにするのが大事なことなんだよ。
そのルールが「主語 + 動詞 + それ以外」ですか。
そう、学校で S V O O とか S V O C とか習うけど、この O や C を大胆にまとめて「その他」と考えているんだね。
学校の授業ではあり得ないほど簡潔なルールですね。そんなんで大丈夫ですか?
著者は「こと会話においては、文法は中学レベルまでマスターしたら、あえて必死に勉強する必要はないのではないか」と主張しているよ。
そういえば、僕たちの勉強会でもいつも中学英語が中心ですよね。
うん、私も難しい英語より基本をしっかり覚える方が大事だと思っているから。
英語を読むときには与えられた英文を読み解くしかないから高度な英語力が必要になることもあるけど、話すときは自分の言いやすい表現にすれば良いからね。
著者のメソッドは賛否両論があるかもしれないけど、初心者向けの心構えとしては効果的だと思うよ。
英語に限った話ではないけど、何かが上達するために必要なことは、間違いを恐れずにどんどん練習することだからね。
つまり、言いたいことをそのまま英語にしたいという意識を変えて、より簡潔で言いやすい表現を探せば良いんですね。
そうだね。私も経験があるのだけど、言いたいことがすぐに英語で出てこないと「正解」を見つけようと考え込んでしまうの。だけど、頭を切り換えて別の表現で伝えようとすると意外と簡単にでてくるのよ。
そのため本書では、自分が言いたいことに対していろいろな表現を考えるためのトレーニングに多くのページが割かれているよ。
このトレーニングを続けると、言いたいことがパッと思いつかなかったときに、頭を切り換えて別の言い方を考えることができるようになる。
日本語でも、言葉が思い出せないときにそのまま固まる人もいれば、別の表現で伝えようとする人もいるでしょ。
「○○って英語で何て言うんだっけ?」って悩んだら、その表現を回避しちゃえば良いのよ。正解は1つじゃないからね。
学校では問題に対して正解を出す練習をするけど、問題そのものを変えてしまうという発想は面白いですね。
でしょ。だからこそ実用的なんだよ。
登場キャラクター
シン
英語が苦手な少年。ミサから英語を教わっている。
ミサ
英語を教えてくれる近所のお姉さん。