イラストレーターのえのきのこさんが英会話を学ぶ過程を描いた『マンガでわかる 英語がスッと出てくる新感覚英会話』を購入しました。
えのきさんに英語指導をするのは、国連英検特A級、英検1級、TOEIC 990 点などの高度な英語資格を持つ深堀司朗さん。日本とアメリカで語学教育をされているプロ講師です。
深堀さんは、難しい単語ばかり覚えるより今知っている英語を使いこなすことを推奨しています。
本書では、初心者にありがちなミスや英語を話すための基本テクニックがマンガで解説されています。
基本はやっぱり S と V
英語を話すために最初に気をつけることは何といっても S と V、つまり主語と動詞です。
日本語は語順が多少入れ替わっても意味が伝わりますが、英語は語順がとても重要です。その語順の基本になるのが SV や SVO (O は目的語)、特に SV は一番重要なルールです。
まずはこの主語と動詞を正しく使うことが基本になりますが、日本語と英語の感覚の違いから、正しく使えない人が意外と多いのです。
たとえば、「体重が増えた」と英語で言いたいときに My weight is ... と考えるのは日本語的な発想です。この場合は「私」を主語にして I've gained a liitle weight. とするのが自然な発想です。
また、「病院は疲れる」を The hospital was ... とするのも間違いで、疲れるのは病院ではなく「私」なので主語は I にするべきです。
英語で話すときに何を主語にすべきかを決めるのは意外と難しいのですが、本書では正しく主語を見つけるためのテクニックが解説されています。
日本人が話す独特の英語
SVO の解説に続き、3 章からは少しステップアップした人向けの解説が始まります。
深堀さんによると、日本人が話す英語には以下のような独特のクセがあるとのことです。
- 無理やり一文で話そうとする
- 話が漠然としている
- やたら be 動詞を使う
- 脳内で日本語を英訳してから話す
- 言葉で感情を表現しない
『マンガでわかる 英語がスッと出てくる新感覚英会話』
うーん、どれも「あるある」と言いたくなるものばかりです。
ある程度英会話に慣れてくるとやたら長い一文で話す人をよく見ます。これを本書ではワンセンテンスシンドロームと呼んでいます。to 不定詞や前置詞を駆使して、一文をどんどん伸ばしていくパターンですね。
このような話し方も、ある理由から不自然な英語になってしまいがちです。
直訳中毒になるな
本書では「日本語の単語をそのまま英語に置き換えようとする」ことを直訳中毒と呼んでいます。
「言いたいことが日本語で頭に浮かんでいるのに、英語で何と言えば良いかわからない」というよくあるパターンですね。
たとえば「夏合宿は英語で何と言えば良いのだろう」というやつです。
これは、日本語をすぐに直訳しようとするから難しいのであり、「夏に静岡へ行った」→「毎日サッカーの練習をした」→「きつかったけど大変だった」のように、状況を簡単な言葉で 1 つずつ説明すると良いのです。
知ってる単語を駆使して「無理しないで」言いたいことを伝えられるようになりましょうね『マンガでわかる 英語がスッと出てくる新感覚英会話』
3 章では他にも「be 動詞依存症」「トークテンポ失調症」「感情表現アレルギー」など、日本人の独特なクセに対する対策が解説されています。
すぐに ○○ is ... と言いたくなる be 動詞依存症も日本人の英語には「あるある」ですね。
さらにステップアップ
4 章ではさらにステップアップするために、1 人でもできる勉強法が紹介されています。
- ボキャブラリーの育て方
- リスニング上達の秘訣はリーディングにあり!
- 1 人で上達! スピーキング必勝法
本書はほぼすべてマンガで構成されているため、短時間で読み切ることができます。
具体的なテクニックから勉強法まで全体的にとてもためになる内容なので、1 周だけ読んで終わりにするのではなく、何度も繰り返し読み返すことをおすすめしたいです。
おまけ:マンガで英文法を勉強したいなら
今回紹介した『マンガでわかる 英語がスッと出てくる新感覚英会話』では英語を話すための基本テクニックや勉強法が解説されています。
本書に加え、基本的な英文法をマンガで勉強したい方には以下の 2 冊がおすすめです。
マンガといっても英文法の解説がきちんと一通りされています。「普通の参考書はもう読みたくない」という方は、これらのマンガでサラッと勉強することから始めても良いと思います。