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仮想通貨トレーダーも要注意!取引に影響を与える認知のゆがみとは

書籍『伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術』に面白い記述があるので紹介します。 仮想通貨投資をしている方も、このような思考パターンを経験したことがあるのではないでしょうか。

認知のゆがみ

ここに、取引に影響をあたえる認知のゆがみをいくつか挙げよう。
  • 損失回避・・・利益を得るより損失を避けることを優先しようとする傾向。
  • 埋没費用効果・・・これから支払うことになる費用より、すでに支払ったか、支払うことが決まっている費用のほうを重視する傾向。
  • 処理効果・・・利益は早く確定し、損失はできるだけ長くしのごうとする傾向。
  • 結果偏向・・・ある決断の良し悪しを判定するのに、どんな時点でどんな決断を下したかではなく、決断がもたらした結果から判定しようとする傾向。
  • 係留(アンカリング)・・・簡単に手に入る情報に頼りすぎる傾向、あるいはそれに縛られる (アンカー) 傾向。
  • バンドワゴン効果・・・あるものごとを、大勢が受け入れているという理由で受け入れる傾向。
  • ”少数の法則”信仰・・・少なすぎる情報から、不適切な結論を導き出す傾向。

損失回避や処理効果は以前にも触れたプロスペクト理論ですね。

よくありがちな「経験上こうすると良い」といった考え方も、上記の結果偏向や少数の法則に当てはまると思います。個人が経験できる量などたかが知れており、過去の膨大なデータを分析して得られる知見の方がよほど統計的に意味があるのではないでしょうか。

リッチもビルも勘には頼らなかった。勘のかわりに、実験と調査にもとづいた手法を使った。何がうまくいって何がうまくいかなかったかを決めるのに事例証拠は用いず、もっぱらコンピュータによる分析に頼った。

過去のデータを分析して売買ルールを考案し、勘や経験に頼らずルールに基づいて行うトレードがシステムトレードです。

本書にはトレードを行う上で非常に重要なことや、売買ルールが書かれています。特にシステムトレードを行う人には重要です。

人間は感情に左右されるので、合理的でない判断をしがちです。たとえば、市場が暴落したときに多くの人は間違った行動をとってしまいます。

株価が下がれば下がるほど、待つことを正当化しやすくなった。
「まあ、すでに200万ドルも損しているわけだから、あと数十万ドル損をしたところで、どうってことはない」
これが彼らの決まり文句だった。

今年の仮想通貨は大きく下落したので、同じ考え方をした人も多いかもしれません。億り人から戻り人になった人もいるようです。

認知のゆがみはトレーダーに、計り知れない影響をおよぼす。認知のゆがみに惑わされなければ、ほぼすべての”ゆがみ”が金儲けのチャンスにつながるからだ。

『タートル流投資の魔術』はすでに有名な本ですが、これ以上多くの人に知ってほしくないので今回はサラッと紹介する程度にとどめておきます。本当に興味がある方だけどうぞ。

伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術
  • 単行本: 344ページ
  • 出版社: 徳間書店 (2007/10/17)
  • 言語: 日本語
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Amazon では 100 件のカスタマーレビューのうち 54% が星 5 つと評価しています (バンドワゴン効果)。


システムトレードの本質は、映画『ラスベガスをぶっつぶせ』でも学ぶことができます。詳しくは以下の関連記事を参照してください。

ちなみにこの記事は昨年 12 月、仮想通貨市場が右肩上がりで伸びていた時期に書いたものですが、今年のように下落しているときにこそ意識したい内容です。

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