人は見かけによらぬもの
人は見かけによらぬもの。
普通にいい話かよ。
このことわざは言葉通りの意味だね。人は見た目だけではわからなくて、意外な一面を持っているということ。
良い人そうに見えて悪い人だったり、悪そうな人が意外と良い人だったり、そういうのってよくありますよね。
うん、ちなみにこのことわざは悪いことに使う方が多いみたいだよ。
「人は見かけによらぬもの」の英語版はこれ。
[英語のことわざ]
Things are seldom what they seem.
見かけ通りのものはめったにない。
seldom は「めったに〜ない」という副詞。もしこの seldom がなければ「物事は見かけ通りだ」という意味になるね。
それじゃ身もふたもないな。
what は関係代名詞で、what they seem が「見かけ通りのもの」という名詞節。
名詞節って? 名詞とは違うんですか?
たとえば、pen や apple は 1 つの単語で物の名前などを表しているよね。これが名詞。
what they seem のように、内部に主語と述語動詞を含む複数の単語のまとまりで、名詞として働くものを名詞節っていうの。
この名詞節というまとまりが、英文の中では普通の名詞と同じように扱われるんだよ。例文を少し書き換えるとこんな感じ。
Things are seldom [名詞節].
物事が [名詞節] であることはめったにない。
この [名詞節] のところに「見かけ通りのもの」を入れると、「物事が [見かけ通りのもの] であることはめったにない」という意味になるでしょ。
それで「人は見かけによらぬもの」と同じ意味を表すことわざになるんですね。
うん。同じ意味のことわざが他にもあるよ。
[類句1]
Appearances are deceptive.
外見は当てにならない。
[類句2]
All is not gold that glitters.
光るものが必ずしも黄金とは限らない。
[類句3]
You can't tell a book by its cover.
本は表紙では判断できない。
[類句2] の that は関係代名詞、glitter が「光る」という動詞。that glitters が文頭の All に説明を加えて「光る物すべて」という意味。直訳すると「光る物すべてが黄金ではない」。
[類句3] の tell の基本イメージは「メッセージを伝える」だけど、ここでは「わかる」「判断する」という意味で使われているね。
表紙が立派なわりにたいしたことが書かれていない本もあれば、質素な表紙なのに中身が充実している本もありますね。
こ、これは。
本さかさまでしょ。
登場キャラクター
シン
英語が苦手な少年。ミサから英語を教わっている。
ミサ
英語を教えてくれる近所のお姉さん。
レイ
シンの同級生。絵を描いて勉強会のサポートをしている。