瞬間英作文で英語がペラペラに?
私は猫です、アイアムアキャット、魚が好きです、アイライクフィッシュ・・・・・・。
どうしたのシンちゃん、ぶつぶつ言っちゃって。
あ、ミサさん。
見ての通り英語の勉強中ですよ。「瞬間英作文」って知ってます? 英会話力をアップするのに効果があると聞いて練習しているんです。
日本文を読んで素早く英作文を行うのが瞬間英作文。
瞬間英作文はここ数年とても人気のある勉強法だね。もちろん私も知っているよ。まあ、昔から短文暗唱という勉強法があって、それも基本的には瞬間英作文と同じなんだけど。
さすがに知ってましたか。最近僕、とにかくたくさん瞬間英作文の練習をしているんです。英語ペラペラになるのも時間の問題ですよ。
あら、そうだったの。たしかに瞬間英作文や短文暗唱は効果的よ。英文をたくさん覚えることで、頭の中に英語表現のデータベースができるからね。どんどんやっていいと思う。でもね・・・・・・。
でも?
瞬間英作文には上手い人と下手な人がいるの。
猫ですけど。
瞬間英作文には上手い猫と下手な猫がいるの。
な、なんだってーーー!?
瞬間英作文の上手さって?
それって、英文がすぐに覚えられるとか、なかなか覚えられないとかってことですか? たしかに僕は暗記は苦手な方ですけど、それは仕方がないじゃないですか。
いや、そういうことじゃないの。私が言いたかったのは、方法が適切かどうかということなんだよ。
瞬間英作文が下手な猫というのは、とにかく日本語を英語に変換することだけ考えて練習しているの。
何がダメなんですか?
日本語から英語へ変換することばかり考えるのではなく、その英文を使う状況をイメージすることが大事なんだよ。たとえば、次の例文を見て。
チーズバーガーをください。
I'd like a cheeseburger, please.
(I'd = I would)
瞬間英作文が下手な猫はこの英文を一生懸命覚えようとする。たしかにその方法なら短時間で英文がたくさん覚えられるかもしれない。でもそんな覚え方をしても「使える英語」はなかなか身につかないの。
そして、瞬間英作文が上手い猫は状況をリアルにイメージするの。
イメージしてみた。
ああ、この吹き出しにさっきの英文が入るんですね。
そう、状況をイメージしながら英文を口に出して練習する。まるで自分がその場にいて誰かと英語で会話しているみたいにね。そして、英文を覚えたら一度頭を空っぽにしてちょうだい。
夢でも詰め込むんですか?
もう一度さっきのイメージだけを思い出して、覚えた英文を口にするの。無理に思い出そうとせず、自然に英文が口から出るようになるまで繰り返し練習するんだよ。
これができるようになったら、今度はイメージの一部を変えてみて。
変えてみた。
あ、さっきと少し変わった。
そしてこのイメージに合う英文を口にするの。これは、パターンプラクティスと呼ばれる練習法だよ。
主語を変えてみたり、目的語を変えてみたり、疑問文にしてみたり、否定文にしてみたりね。
1つの例文からいろんなパターンができるんですね。
こうやってイメージと英文を関連づけて覚えることで、次第に「使える英語」が身についてくるんだよ。
たとえばシンちゃんが海外のハンバーガー屋に行ったとき、こうやって覚えたフレーズを思い出しやすくなるの。
日本語から英語への変換ばかり練習していると、「日本語ありき」の英語になってしまう。まず日本語で考えて、それから英語に置き換えるって具合にね。それって変だと思わない? だから、イメージから直接英語がアウトプットできるようになるまで練習するんだよ。
そっかー。ここでもイメージって大事なんですね。
ある研究によると、暗記したいものはイメージと関連づけて覚えると記憶に残りやすいそうよ。それに、ひたすら英文を丸暗記するより楽しいでしょ?
そうですね。これからはミサさんに教わった方法でやってみます。
ちなみにソフトクリームは和製英語。英語では soft-serve ice cream または soft ice cream だから。
そう言われてみると、soft cream はただの「柔らかいクリーム」だね。