(※ 本記事は数年前に他のブログで書いた記事に修正を加えたものです。記事 2 本を 1 本にまとめました)
『The Five Orange Pips』
前回、前々回と、短編集『Sherlock Holmes Short Stories』に収録されている3作品のうちの2作品を紹介しました。今回は同じ短編集から3つ目の作品『The Five Orange Pips』を紹介します。
Sherlock Holmes Short Stories | |
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あらすじと感想
ある嵐の日の夜、ホームズの住むベイカー街の下宿にジョン・オープンショーという若い依頼人が訪れます。ジョンの伯父のイライアスは若い頃にアメリカに渡り、事業で成功して財産を築いたと言います。イライアスは南北戦争が終わるとイギリスに戻り、人付き合いを避けて一人で生活していました。
ある日、イライアスの元に一通の手紙が届きます。封筒の中にはオレンジの種が五つ入っているだけで、他には何も入っていません。イライアスは封筒の裏に書かれている文字を見て「K.K.K.だ! ついに見つかってしまった!」と叫び声を上げます。
その数週間後、イライアスは遺体となって発見されます。このままではジョンの身にも危険がおよぶかもしれません。一体、K.K.K.とは何者なのでしょうか?
ここまでが導入部です。今回の作品も謎に包まれた導入と展開でしたが、最後はすっきりしない終わり方でした。なぜこのような終わり方にしたのか、気になるところです。
翻訳本
『The Five Orange Pips』の日本語翻訳版は『オレンジの種五つ』。『シャーロック・ホームズの冒険』に収録されています。原文が難しく感じる場合は翻訳本と合わせて読むことをお勧めします。
シャーロック・ホームズの冒険 | |
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『Sherlock Holmes and the Mystery of Boscombe Pool』
今回は、ペンギンリーダーズの『SHERLOCK HOLMES AND THE MYSTERY OF BOSCOMBE POOL』を紹介します。
Penguin Readers: Level 3 SHERLOCK HOLMES AND THE MYSTERY OF BOSCOMBE POOL | |
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ペンギンリーダーズは、見出し語数によってレベルが6まであり、本作品はレベル3(TOEIC400点程度)に設定されています。
あらすじと感想
今回の事件はボスコム谷という土地で起こります。その土地最大の地主ジョン・ターナーは、オーストラリアで財産を築いた後イギリスへ戻りました。ターナーは、所有する農場の一つであるハザリー農場をチャールズ・マッカーシーという男に貸していました。この二人はオーストラリアで知り合い、イギリスに戻ってからも近所で生活していたのです。
ターナーには18歳の娘が一人、マッカーシーには同じ年の息子が一人います。またターナーには少なくとも6人の使用人、マッカーシーには2人の使用人がいます。二人とも妻を亡くしています。
ある日の午後、マッカーシーは人と会う約束があると言い、急いで家を出た後帰らぬ人となりました。目撃者の話によると、マッカーシーが歩く姿を見た後、マッカーシーの息子のジェイムズが銃を抱えて同じ道を歩いていったと言います。さらに、その後マッカーシーとジェイムズの姿を目撃した少女の話によると、二人は激しく言い争いをして、ジェイムズが父親に殴りかかろうとしていたとのことです。そこで少女は怖くなって逃げてしまいますが、その後マッカーシーの遺体が発見されます。
誰が見てもジェイムズが疑わしい事件ですが、ターナーの娘ミス・ターナーはジェイムズは無実だと信じています。この事件の真相は一体どうなっているのでしょうか?
本作品は、ペンギンリーダーズのレベル3に設定されているため語彙は易しめですが、前回までに紹介した短編よりボリュームがあります。その分、話の展開や事件の背景なども凝っていて、読み応えがあり面白い一冊になっています。
翻訳本
『Sherlock Holmes and the Mystery of Boscombe Pool』の日本語翻訳版は『ボスコム谷の謎』。『シャーロック・ホームズの冒険』に収録されています。原文が難しく感じる場合は翻訳本と合わせて読むことをお勧めします。