(※ 本記事は数年前に他のブログで書いた記事に修正を加えたものです。記事 2 本を 1 本にまとめました)
『The Speckled Band』
今回は短編集『Sherlock Holmes Short Stories』の収録作品『The Speckled Band』を紹介します。
短編集『Sherlock Holmes Short Stories』は、オックスフォード・ブックワームズ・ライブラリーStage 2の作品です。Stage 2では、使用される語彙が700語に制限されているため英語初級者にも読みやすくなっています。前回紹介した『Sherlock Holmes and Duke's Son』は語彙が400語のStage 1でしたが、難易度はどちらもそれほど変わらないように感じました。
Sherlock Holmes Short Stories | |
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あらすじと感想
ベーカー街のホームズとワトソンの元に、朝早く若い女性が依頼人としてやってきます。彼女は疲れ切った様子で、髪は白髪が多くグレーになっています。翻訳本ではここでホームズが依頼者の身なりを見て推理を披露するのですが、ペーパーバック版では省略されています。
依頼人の名前はヘレン・ストーナー、義理の父と一緒に生活しています。以前は姉のジュリアも一緒だったのですが、ジュリアは二年前に不審死してしまいました。ジュリアは死の直前に、ヘレンに「まだらの紐」という言葉を残しました。また、亡くなる数日前から、どこからともなく笛の音と金属が落ちる音が聞こえると話していたようです。ヘレンの死因、そして「まだらの紐」とは一体何なのでしょうか。
本作品はいわゆるダイイングメッセージが登場する作品です。実は僕はまだらの紐のネタバレを知っていたのですが、それでも楽しく読むことができました。何も知らずに読めば「そういうことか」と思ったでしょうね。
翻訳本
『The Speckled Band』の日本語翻訳版は『まだらの紐』。『シャーロック・ホームズの冒険』に収録されています。原文が難しく感じる場合は翻訳本と合わせて読むことをお勧めします。
シャーロック・ホームズの冒険 | |
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『A Scandal in Bohemia』
前回は短編集『Sherlock Holmes Short Stories』から『The Speckled Band』を紹介しました。今回は同じ短編集から『A Scandal in Bohemia』を紹介します。
あらすじと感想
ワトソンがベイカー街にあるホームズの下宿を訪れると、ホームズから一通の手紙を見せられます。手紙には日付も差出人も住所も書かれていません。ワトソンはその手紙を見て、差出人は裕福な人間だと推理します。さらにホームズは、その手紙はボヘミア製で、ドイツ人が書いたものと推理します。そんなやり取りをしていると、長身で高価な衣類に身を包んだ男性が依頼者としてやってきます。その男性は顔に覆面をして偽名を名乗りますが、ホームズがすぐに正体を見破り男性を驚かせます。
依頼の内容は、ボヘミア王がある女性へ送った手紙と写真を取り返すこと。手紙は偽造と言い張ることもできますが、写真には2人が一緒に写っているのでごまかすことができません。ボヘミア王はスカンジナビア王女との結婚を控えているので、その写真が悪用されると大変な醜聞(スキャンダル)になってしまいます。ボヘミア王は人を雇って何度も盗み出そうとしましたが、すべて失敗に終わりました。ホームズは写真を取り返すことができるのでしょうか?
ここまでが導入部です。この後、ホームズが写真を探すための策を講じたり、意外な展開があったりなど楽しめる内容になっています。また、この作品ではシャーロック・ホームズシリーズのある重要キャラクターが登場しますので、シリーズを読む上で欠かせない作品と言えるでしょう。
翻訳本
『The Speckled Band』の日本語翻訳版は『ボヘミアの醜聞』。『シャーロック・ホームズの冒険』に収録されています。原文が難しく感じる場合は翻訳本と合わせて読むことをお勧めします。