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【仮想通貨】NEMの下落に学ぶ材料トレードとシステムトレードの差

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ビットコインが高騰を続け、仮想通貨市場に参入されている方は笑いが止まらない日々をお過ごしのことと存じます。

さて、ビットコインが順調なときにはアルトコインが不調になりやすいもので、特に日本で人気の高い NEM (XEM) は、毎日のように好材料が出ているにも関わらず、8 月をピークにずっと下げ続けています。

NEM1
8 月以降下げ続ける NEM

一方では、材料があるのかないのかよくわからない通貨がいきなり高騰することもあり、「材料の有無で判断しても意味がないのでは?」と思えてきます。

それでは、材料や感情を一切無視して、システムトレードのようにあらかじめ用意したルールだけに従って NEM をトレードしたらどうなっていたのでしょうか? 簡単に検証してみます。

移動平均線ルールだけで NEM をトレードすると?

前回同様、NEM のチャート (日足) に短期と長期の指数移動平均線を 2 本引いて、「ゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売り」という単純なルールを検証してみます。

パラメータは、短期を 10、長期を 20 とします。これらのパラメータは検証前に適当に決めた数値であり、チャートを見ながら意図的に調整したものではありません。

ここでは仮に、7 月 7 日に「NEM を買おうかな」と考えたことにします。7 月 7 日を選んだ理由は、この日の価格が現在 (11 月 4 日) の価格に近いからです。そのため、7 月 7 日に即日購入して、将来性を期待して現在までホールドし続けた場合の利益はほぼ ±0 円になります。

チャートに指数移動平均線を 2 本引くと以下の通りです。

NEM2
赤:10 日 青:20 日

7 月 26 日に買いシグナル、9 月 13 日に売りシグナルが確認できます。

7 月 26 日の終値は 17.69 円、9 月 13 日の終値は 24.5001 円なので、このタイミングでトレードすると、利益率は 38.4% になります。

10 万円分の NEM をこのルールでトレードすると約 3 万 8 千円の利益になる計算です。

時間を費やしてニュースや Twitter をチェックする生活を送らなくても、2 本の移動平均線をチェックするだけで儲かっていたという皮肉な結果になりました。しかも、売りシグナル後の下落期はノーポジションでやり過ごすことができています。

この検証は結果論かもしれませんが、「移動平均線ルールでトレードしよう」という意思があれば実現可能なトレードだったはずです。

移動平均線ルールは、他のさまざまな通貨で検証しても概ね良い結果となります。ルール通りにトレードするだけなので、好材料を探し回る必要もなければ未来を予想する必要もありません。仮想通貨ブロガーやユーチューバーなど仮想通貨の値動きを予想している人は大勢いますが、それほど的中率は高くないようです。

ますます「材料で判断する必要はないんじゃないか?」と思えてきました。

もちろん売買ルールによって利益率に差があるので (僕の本命も移動平均線ルールではありません)、材料探しに疲れた方は、自分のルール作りをしてみてはいかがでしょうか。

売買システム入門』や『トレーディングシステム徹底比較 』ではさまざまなルールと検証結果が網羅されており、僕のルール作りに非常に参考になりました。

それにしても、投資関連の書籍ってなんで高価なものばかりなんですかね・・・・・・。

私のトレーディングキャリアの最初の 15 年間、私はエリオット波動の信奉者だった。
(中略)
1998 年以降、私は退屈なメカニカルトレーダーになった。エリオット波動と幾何学的パターンを使い、複数の時間枠で価格と時間全体にわたって相場を分析することに比べると、それは面白くも楽しくもないと保証できる。しかし、私はエリオット波動で利益を生むことはできなかった。私は経験から学んだ。私にとっては、退屈は報われるのだと!
初めてフィボナッチ比率に出合ったとき、私がうたぐり深かったらなぁと思う。私はそれらの無意味さを確かめる作業をするまで、15 年も費やしてしまった!
結論を言うと、17 人のプログラマーを使って 4〜5 年間テストを行ったが、基本的な 4 ないし 5 システムが最も有効だった。

おまけ

他の通貨の日足チャート (11/4 現在)。

BTC
ビットコイン
BCH
ビットコインキャッシュ
MONA
モナコイン

ちなみに、仮想通貨は値動きが早いので、日足よりも時間足を使った売買ルールの方が利益率が高くなる傾向があります。

[11/6 追記]

あらためてさまざまな通貨のデータで検証したところ、日足の方が利益率が高くなるケースも多いことがわかったので、どちらが有利とも言えません。
日足ベースのルールではトレード回数が少なくなるため負担が軽減するというメリットもあります。自分の生活スタイルとの相性で判断する方が良さそうです。

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※ 検証には Zaif のチャートを使用しました。

※ 移動平均線ルールによる今後の利益を保証するわけではありません。