すっかりブログの更新が停滞しがちですが、最近はプログラムを書いていました。
記事タイトルからもわかるように、仮想通貨のシステムトレードを行うためのトレードシステムです。
システムトレーダーにワイはなる!
株でも仮想通貨でも、トレードを行う人にはさまざまなタイプがいます。
ニュースや材料を重視して売買する人もいれば、テクニカル分析を重視する人もいます。たとえば下のチャートを見て「ここで買ってここで売れば良かった」と後から言うのは簡単ですが、実際にはなかなか良いタイミングで売買できません。
そこで、たとえば指数平滑移動平均線を 2 本引いて、短期線が長期線を下から上抜いたら買い (ゴールデンクロス)、上から下抜いたら売り (デッドクロス) などのルールに従うと、以下のような売買になります。
もちろん「最安値で買い、最高値で売る」というのは不可能ですが、簡単な移動平均線ルールに従うだけでもかなりの利益が得られそうです。
このような投資戦略 (売買ルール) をあらかじめプログラムに組み込んでおき、プログラムが発する「買いシグナル」や「売りシグナル」に従って行う売買がシステムトレードです。
システムトレードを行うにはいくつかの手順が必要です。
- 儲かりそうな投資戦略を考える
- 過去データで投資戦略の有効性を検証する
- リアルタイムデータを受信してシグナルを出す
- 売買する
ざっくりこんな感じです。
最後の「売買する」に関しては、シグナルを見て自分で売買するケースもあれば、売買まで自動化するケースもあります。後者は完全な自動化なので、ユーザが寝ている間にも売買してくれます。
ある程度プログラムができる人なら売買の自動化はそれほど難しいことではありません。難しいのは「儲かる投資戦略」を見つけることです。
ワイは裁量をやめるぞ!ジョジョーッ!!
儲かりそうな投資戦略を思いついたら、過去の価格データを使って検証します (バックテスト)。最近僕が作っていたのはこのバックテスト用ツールです。
たとえば上述の移動平均線ルールを 2017 年のビットコインの価格データで検証すると、勝率は 5 割未満ですが年間トータルではちゃんと利益が出ることがわかりました。
このような投資戦略は他にも考えられますが、いろいろと検証してみると、どのような戦略でも利益が出るわけではなく、むしろ利益にならない戦略の方が圧倒的に多いようです。
「自分では良さそうなルールだと思ったのに検証してみると全然ダメ」ということがよくあります。そのため、感情や裁量で売買しても安定した成績が出せないことが想像できます。
ちなみに、移動平均線ルールの勝率が 5 割未満でも利益がでる理由は、負けるときは小さく負け勝つときは大きく勝つ「損小利大」になるからです。このことからも、含み損は素早く損切りをする重要性がわかります。
逆に、いつまでも含み損を抱え続ける行為は最悪の戦略と言えそうです。
【仮想通貨】損切りは儲かるゾ!? の巻
「ビットコインは右肩上がりだからずっと持ってるだけで良かったんじゃね?」というのは結果論なので戦略とは言えません。
最も成功している古手のトレンドフォロー会社のひとつであるキャンベル・アンド・カンパニーのリサーチ担当ディレクターは、裁量を避けることに関して強い意志を明らかにしている。
「われわれの強みのひとつは裁量を行使せずにモデルに従うことだ。このルールはキャンベルでは石に刻まれている」 トレンドフォロー入門~トレンドの魔術師たちの売買戦略と成功の秘密
ラクをするための努力
システムトレードでは、移動平均線ルールやブレイクアウトルールなどのトレンドフォロー系ルールが効果的であることがわかっています。
興味深いことに、純益リストの上位 5 番目までにランクされているアイデアは、本質的にはトレンドフォロー型に分類できる。これらの結果から確実に言えることは、少なくともポートフォリオの観点からは、「トレンドはフレンドである」ということだ。トレーディングシステム徹底比較
『マンガ パチンコトレーダー [システムトレード入門編]』では、著者の坂本タクマ氏が株式投資でシステムトレードを行い、数年にわたって安定した収益を稼いでいます。本書で紹介されている「システム 2」を仮想通貨市場のデータで検証してもなかなか良好な結果になりました。
ちなみに、坂本氏の著書『Rubyではじめるシステムトレード』では、トレードシステムの作り方がソースコード付きで解説されているようです。(僕は Java 派なので未確認です)
他にも『トレーディングシステム入門 ― 仕掛ける前が勝負の分かれ目』の「標準偏差ブレイクアウト・システム」を検証したところ、これも良い結果になりました。
現在はバックテストで効果的な戦略を探す作業と並行して、リアルタイムデータを受信してシグナルを出すツールを作っています。
本記事は実際にシステムトレードを行った上で書こうと思ったのですが、あまりにブログ更新が停滞してしまったので途中経過を書きました。
リアルトレードや有効な戦略についてはまたの機会に。
リチャード・ドンチャンが発行しているニュースレターを見たら、純粋にメカニカルなトレンドフォローシステムで相場に勝てるようなことが書いてあった。わたしにはそれも不可能なように思えた。それでその理論を検証するために (当時はパンチカードを使って) コンピュータープログラムを書いてみた。驚いたことに、ドンチャンの理論が本当であることが証明されたのだ。トレンドフォロー入門~トレンドの魔術師たちの売買戦略と成功の秘密
[10/30 追記]
現在のビットコインの価格。これも単純な移動平均線ルールが機能しますね。
[10/31 追記]
1 日経過してそろそろデッドクロスしそう。
ここまでくればいつデッドクロスしても勝ちトレード確定っぽいですね。
[11/2 追記]
ビットコインの価格が上がりまくっています。
「そろそろデッドクロスしそう」という予想や裁量がいかに当てにならないかがわかりました。
売りシグナル (デッドクロスなど) できちんと利益確定すれば、この後どんなに大暴落しても大丈夫。やっぱりメカニカルにトレードすべき!