今回は映画『ガタカ』を観ながら英語を勉強しよう。
どんな映画ですか?
これは、遺伝子操作で優秀な子を作るのが当たり前で、就ける職業さえも遺伝子の優劣で決められる近未来の設定なんだけど、遺伝子的に多くの欠点を抱える主人公がどうしても宇宙飛行士になりたくて色々と行動を起こす話だよ。
遺伝子の優劣で色々判断されるってことですか。主人公はどうするんだろう。
『ガタカ』を観ながら英語勉強会
まずは、映画で外国語が上達するシネマ作戦のおさらいから。
説明しよう。シネマ作戦とは映画好きの情熱を英語力に変換する勉強法である。
英語に限らず、映画やアニメで外国語を覚える人は少なくない。方法は次の通り。
単語を変える練習は「パターンプラクティス」とも呼ばれ、実績ある練習法として古くから知られている。
好きな歌を覚えるように、映画を観ながら好きな台詞を繰り返し音読するのがポイントだ。
ここからは映画の台詞をたくさん取り上げるけど、無理に全部覚えようとしなくていいからね。とりあえず、こんな台詞もあるんだということだけ抑えて、好きな台詞に絞って練習するといいよ。
『ガタカ』
You keep your work station so clean.
きみのワークステーションはいつもチリ一つない。
keep 〜 clean で「〜を綺麗に保つ」。ヴィンセントはいつも仕事用デスクを綺麗にしているからそれを褒められたんだね。
So you're about to go up.
さて、いよいよ出発だな。
be about to 〜 で「まさに〜しようとしている」、go up で「上昇する」。
I made up my mind to resort to more extreme measures.
ついに僕は、過激な手段にでる決心をした。
make up one's mind to do で「〜しようと決心する」、resort to で「(最後の手段として) 〜に訴える」とか「手段をとる」という意味。ここではより過激な手段をとる決心をしたということ。
That's what I wanna find out, Jerome.
それを見つけに行くんだよ、ジェローム。
what が名詞節を作って what I wanna find out で「私が見つけたいもの」となる。wanna は want to の省略形、find out は「見つける」。
My interview is in an hour!
面接まであと 1 時間なのに!
in an hour は「1 時間後」。「1 時間以内」ではないよ。
では、「1 時間以内」と言う場合は?
その場合は within an hour だね。
I think we can rule out suicide.
これは自殺の線はまずないな。
rule out は「除外する」という意味なので、suicide 「自殺」の可能性を除外できるということ。
I'd never been more sober in my life.
完ぺきにシラフでね。
sober は「シラフ」。この台詞を直訳すると「人生でこのとき以上にシラフだったことはない」となるので、「このときは完全にシラフだった」という意味になるよ。
You must be drunk to call me Vincent.
そう呼ぶなんて、酔ってる証拠だ。
must は「〜に違いない」という助動詞なので You must be drunk で「きみは酔っているに違いない」となる。to call の to は判断の根拠を表している。call A B は「A を B と呼ぶ」。直訳すると「私のことをジェロームと呼ぶなんて、酔っているに違いない」となる。
Listen to what I'm saying to you. I want what I orderd.
だから言ってるだろ。ちゃんと注文した品物をよこせ。
この what も名詞節を作っていて what I'm saying to you で「私があなたに言っていること」となる。2 つ目の文の what I orderd は「私が注文したもの」。
what が名詞節を作るパターンが多いですね。
She said, "Why don't you try a change?"
「たまには気分を変えたら」なんて抜かしやがる。
引用符で挟まれた文は彼女が言った内容だね。Why don't you 〜 で「〜したら?」という意味。名詞の change には色々な意味があるけどここでは「気分転換」。
What makes you think the owner of the eyelash is here?
まつ毛の主がここにいると思うのか?
What makes you think 〜 を直訳すると「何があなたに〜と考えさせるのか」。言いかえると「なぜあなたは〜と考えるのか」となる。この make は使役動詞だね。
I want to show you something.
見せたいものがあるの。
show + [人] + [物] で「[人] に [物] を見せる」。
I leave in two days.
あさって出発なんだ。
in two days は「2 日後」なので「あさって」。「2 日以内」じゃないよ。
This is not the only place we can look.
ここ以外にも調べるところはあるはずだ。
we can look が直前の the only place に説明を加えて「私たちが調べられる唯一の場所」となる。台詞を直訳すると「ここが私たちが調べられる唯一の場所ではない」となるので「他にも調べるところがある」となる。
Why don't you go home?
今日は帰ったら?
Why don't you 〜 は「〜したら?」だね。
さっきも見たフレーズだ。
今日は帰ったら?
ちょっと社畜すぎない?
You don't know who he is, do you?
あいつの正体を知らないだろ?
who が名詞節を作って who he is で「彼が誰なのか」。最後の do you? は付加疑問文で「〜だよね?」という意味になる。
I don't even know who you are.
あなた一体誰なの?
これも who が名詞節を作って、台詞を直訳すると「あなたが誰なのかさえ知らない」となる。
You couldn't see, could you?
見えてなかったのね。
could you? は付加疑問文で「〜だよね?」という意味になる。
宇宙飛行士というから派手な SF をイメージしていたけど、これはむしろヒューマンドラマでしたね。ヴィンセントが最後にアントンと泳いだときの台詞が彼の人生そのものを示唆している感じで印象的でした。
その台詞はここでは扱っていないけど、解釈は人それぞれだね。今回も台詞を全部覚えるのは無理だから、まずはお気に入りの台詞で練習すると良いよ。
映画『ガタカ』
登場キャラクター
シン
英語が苦手な少年。ミサから英語を教わっている。
ミサ
英語を教えてくれる近所のお姉さん。
レイ
シンの同級生。絵を描いて勉強会のサポートをしている。