今回は間違えやすい表現として used to と be used to を勉強しよう。
それ学校で習ったことあります。えっと、どっちがどっちでしたっけ。
ではさっそく 2 つの違いを見ていこう。
used to と be used to の違い
まず最初に結論から。
used to と be used to の違いを簡単にまとめると次のとおり。
used to は「以前はよく〜していた」「以前は〜だった」
used to は助動詞。そのため後には動詞の原形が続く。
used to + [動詞の原形] で「以前はよく〜していた」「以前は〜だった」という意味。
be used to は「〜に慣れている」「〜することに慣れている」
be used to の to は前置詞、そのため後には名詞や動名詞が続く。
be used to + [名詞] で「〜に慣れている」。
be used to + [動名詞] で「〜することに慣れている」。
used to が「以前はよく〜していた」で、be used to が「〜に慣れている」か。
そう、ではここから used to と be used to の具体的な使い方をそれぞれ見ていこう。
used to の使い方
「以前はよく〜していた(今はやっていない)」
used to は「以前はよく〜していた」という意味。
これには「以前はよく〜していたけど、今はやっていない」というニュアンスが含まれているよ。
When I was a child, I used to play baseball in the park.
子供のころはその公園でよく野球をしていた。
[例文1] は、昔野球をしていて今はやっていないという意味になるんですか。
そう、単なる過去の話ではなく、現在との対比になっているんだよ。
「以前は〜だった(今はそうではない)」
「以前は〜だった」という意味にもなるよ。
これも「以前は〜だったけど、今はそうではない」というニュアンス。
The Philippines used to be a dependency of the US.
フィリピンはもとアメリカ合衆国の属領だった。
There used to be a park here.
ここには以前公園があった。
これは分かりやすいですね。「以前は〜だった」ということは現在はそうではないんだ。
そうだね。現在もそのままだと「以前は〜だった」というのは変だよね。
疑問文と否定文
used to の疑問文は次のとおり。
Did you use[d] to play baseball in the park?
あなたは以前その公園でよく野球をしていましたか?
通常の疑問文では、動詞を原形にして Did ... use とするのが普通だけど、used to do の疑問文では [例文4] のように Did ... used to do? とする場合もあるよ。
また、否定文は、didn't use[d] to do で「以前は〜しなかった」。
過去の習慣を表す would との違い
would にも「よく〜したものだ」と過去の習慣を表す使い方があるよ。これは個人的な思い出を振り返るニュアンス。
また、過去の習慣を表す would には現在と対比するニュアンスは含まれていない。
When I was a child, my father would often get angry with me.
子供のころ, 父はよく私を怒ったよなあ。
[例文5] は、子供のころを振り返っているけど、現在と対比しているわけではない。過去に繰り返し起こった出来事を懐かしんでいる感じだよ。
今でも父親に怒られているかもしれませんね。
be used to の使い方
「〜に慣れている」
さて、ここからは be used to の説明をしよう。
be used to + 名詞で「〜に慣れている」という意味。
I am used to cold weather.
私は寒い気候に慣れている。
[例文6] のように、be used to は受動態に似ているから間違えないように注意。
また、否定文で「慣れていない」と言うときは not used to とするだけ。
I'm not used to cold weather.
私は寒い気候には慣れていない。
たしかに受動態と間違えそうですね。
うん。でも、この英文を受動態だと思って読むと、to 以下がうまく読み取れないでしょ。
そうしたら、これは受動態ではなかったと考えて、be used to の可能性を考えるといいよ。
「〜することに慣れている」
be used to + 動名詞で「〜することに慣れている」という意味。
I am used to living in the town.
私はその町に住み慣れている。
これも受動態だと思って読むと、to 以下でつまずくから be used to の可能性を考えるんですね。
be used to と get used to の違い
be used to によく似た表現に get used to があるよ。
be used to は「〜に慣れている」という意味だけど、get used to は「〜に慣れる」という意味。
be 動詞は「〜である」という状態を表すのに対し、get は状態の変化を表す動詞。だから、「〜に慣れている」状態になる、つまり「〜に慣れる」という意味で状態の変化を表しているんだね。
I got used to living in the town.
私はその町に住み慣れた。
[例文9] は「住み慣れている状態」になった、つまり「住み慣れた」ということ。
I am getting used to living in the town.
私はその町に住み慣れてきている。
このように現在進行形で「住み慣れてきている」「住み慣れつつある」という意味にもなるよ。
今回勉強した表現はどれもよく似ているから紛らわしいですね。
うん。色々な表現を覚えるには、何度も音読したり実際に使ってみたりすること。
やっぱり英語を覚えるには「慣れ」が必要なんだよ。
[5] ウィズダム英和辞典
[2][7] ランダムハウス英和大辞典
登場キャラクター
シン
英語が苦手な少年。ミサから英語を教わっている。
ミサ
英語を教えてくれる近所のお姉さん。